2024年9月11日水曜日

紅蓮の禁呪149話「竜と龍・六」


 龍垓は、己の腹心の首がその胴を離れても、目もくれなかった。

 その代わりというように、竜介と黄根の間合いにより一層深く踏み込む。


 そのとき、鷹彦の起こした風撃の余波が彼らを襲った。


 激しい風に思わず目をかばう竜介。

 と、その瞬間、あのぞっとするほど強大な力の気配が消えた。

 慌てて視界を確保すると、すぐそこにあった黒い壁のような鎧がない。


 否。


 それは移動していた。

 十メートルばかり遠くに――つまり、法円の中央に。


 風で剥ぎ取られたフードから現れた、白い顔に、彼の目は釘付けになった。

 血の気はなく、目は落ちくぼんでいるけれど、それはたしかに紅子だ。


 そして、その背後には、龍垓の姿があった。

 小柄な紅子に比べ、その巨躯はまさにそびえるが如くだったが、今、それは更に大きく見えた。


 なぜなら、長剣を振りかざしていたからだ。


 ぎらつく長剣の切っ先が、スローモーションのように、紅子の頭頂へ吸い込まれていく。


 竜介は叫ぼうとした。

 駆け出そうとした。

 これが悪夢なら今すぐ醒めてくれと願った。

 せっかくここまでたどり着いたのに。

 目の前に彼女がいるのに。


 これで、終わりなのか――やはり、遅かったのか。何もかも。


 ところが。


 龍垓の剣が、少女の髪に今にも触れるというとき、突然ぴたりと止まった。


 次の瞬間、龍垓の足元に金色の法円が現れたと思うと、その姿は消え、再び現れたのは、竜介の目の前、元いた場所。

 大剣がいきなり頬をかすめるほどの距離に出現し、竜介は思わず飛び退る。

 が、龍垓は動かない。

 その喉元から偃月刀の切っ先が飛び出していることに竜介が気づくのに、さほど時間はかからなかった。


 龍垓の巨躯が前のめりに崩れ落ち、黒大理石に打ち付けられた鎧が、ガシャーン!と驚くほど大きな音を立てる。

 その後ろから姿を現したのは、黄根だった。

 彼は足元の巨大な黒い金属の塊を見下ろし、独り言のように言った。


「これでしばらくは動けまい」


 黒珠の王は――少し離れた場所で首と胴体がばらばらになって倒れている迦陵もそうだが――彼の言う通り、ぴくりとも動かない。

 驚くべきは、血や体液の類が一切、流れ出ていないことだ。

 彼らが人間どころかこの世界の一般的な「生物」ですらないのだ、と竜介は改めて思う。


「全員、早く舞台に上がれ」


 黄根が呼びかける。

 龍垓も迦陵も、炎珠の神女に焼かれたわけではないから、影にはならない。

 しばらく経てばまた動き出すだろう。


「立てるかね」

 泰蔵は、床に座り込んだままの志乃武に手を貸して立たせてやると、舞台の階段を上がるのを支えた。

 そばには日可理が付き添っているが、彼女では弟の体重を支えきれなかったのだ。

「ありがとうございます」

 二人がユニゾンで礼を言う。

 日可理は弟の切り取られた腕を傷口にぴったり押し当てている。

 力が復活した今、止血はできているようだが、痛みを完璧に消したり、もとに戻すのは、彼らでは無理のようだ。


「坊主、お前はこの舞台の周りに風で壁を作れ。破られるなよ」


 黄根に坊主呼ばわりされた上にそう念押しされて、鷹彦は一瞬ムッとした顔をする。

 が、


「紅子!?」


 玄蔵の悲鳴のような声が、和らぎかけた空気を再び凍りつかせた。

 円形舞台の中央。

 そこでは紅子が、糸の切れた人形のようにくたくたと崩れていくところだった――大量の、血を吐きながら。

 玄蔵が駆け寄り、竜介と鷹彦、それに黄根が続く。


「紅子、紅子……!!」

 娘を抱え起こしながら呼びかける父親の悲痛な声。

 竜介がそばに膝をつくと、玄蔵は今まで見たことのないすがるような目で言った。


「竜介くん、助けてくれ。君なら、できるだろう!?」


 そう言われて、差し出された紅子の身体を受け取る。

 しかし――


 その身体は、凍っているのかと思うほど冷たかった。

 薄く開かれた目に光はなく、紙のように白い顔に、乾き始めた血糊だけが、禍々しく赤い。

 それは、死者の顔だった。


「紅子ちゃん、助かるよな?なあ、竜兄?」

 鷹彦の声が、どこか遠くから聞こえるようだ。


 絶望、という言葉が竜介の脳裏をよぎる。


 ここまで来たのに。

 やっと……やっと会えたのに。

 遅すぎた。全部、何もかも、遅すぎたんだ。


 視界がゆがむ。

 全身の力が抜けていく。


 と、そのとき。

 いきなり視界が明るくなった。

 黒大理石の床に、竜介と紅子を囲む小さな金色の法円が広がっている。

 気のせいだろうか、ほのかに温かい。


「坊主、玄蔵さん、悪いがあんたらはこの法円から出てくれ」


 黄根老人が言った。

 二人が金色の法円の外に出るのを確かめると、竜介に向き直る。


「しっかりしろ、小僧」


 老人はぎょろりと左目で彼をにらみつけ、言った。


「今、このときのことを、わたしは何度も何度も見てきた。そしてこのときのために、ここまで来たのだ」


 まだ間に合う。


 黄根老人は、たしかにそう言った。



※挿絵はAIによって作成しました。

2024年8月30日金曜日

紅蓮の禁呪148話「竜と龍・五」

 


 日可理の足元には、服の袖ごと切り落とされた弟の前腕があった。

 切断部からこぼれた血が、黒大理石に赤いしみを作っている。

 その向こうには、うずくまる弟の背中。

 そして、彼の前に仁王立ちする、その力に比して驚くほど小さな、黒い死神の姿。

 その鎌から滴り落ちる、血――


 視界に映るすべてが、歪んで見える中、彼女はとっさに腕を拾い上げると、弟のそばに駆け寄ろうとした。


 嗚咽が止まらない。

 涙で濡れた頬が凍えるようだ。

 冷たく乾いた空気が、喘ぐ喉に刺さる。

 けれど、彼女は恐ろしさですくむ足を、必死で前に出した。

 気に入っていた白いファーのついたダウンコートが、見る間に血で汚れていく。

 血のついた手で涙を拭ったせいで、顔も赤黒く汚れてしまった。


 もう、異能は使えない。

 切断された腕など運んでも役に立つとは思えない。

 ただひたすら、無意識の行動だった。


 迦陵がその手の鎌をひと振りすれば、二人とも命はない。

 それでも、だからこそ、どうせすべてが終わるなら、志乃武のそばにいたい。


 と、そのとき。


 不意に軽くなった術圧が、彼女の足を止めた。


 その瞬間、その場にいた全員が、法円の中に視線を走らせ、異変を目の当たりにしていた。


 本来、黄珠が載るべき饕餮紋の柱――その柱の前にいた伺候者が、突然、文字通り崩れ落ちたのだ。

 その肉体を構成していた細胞一つ一つが、なんの前触れもなく黒い砂と化した。

 砂は見る間に人の形を失い、ざあっと音を立てて黒大理石の床に広がると、中身を失った黒衣が、その砂山の上にかぶさった。


 迦陵が小さく舌打ちするのを、日可理は聞いた。


「術圧に負けたか……」


 かすれた声で、黒珠の王がそうつぶやくのを、すぐそばで竜介が耳にした、次の瞬間。


 詠唱が途切れ――

 術圧が、完全に消えた。


 それは天与の静寂だった。


 そのとき、世界に、光が戻った。

 日可理は、力が戻るのを感じた。

 目の前では、志乃武の身体を再び白い輝きが包むのが見える。


 これで、志乃武を助けることができるかもしれない――


 だが、その安堵は次の瞬間、絶望に塗りつぶされた。

 迦陵が右手の鎌を下から大きくすくい上げようとするのが視界に入ったからだ。

 鎌の動線の先には、志乃武の首がある。


 間に合わない――


「志乃武さん!!」


 声を振り絞り日可理はそう叫ぶと、無我夢中で弟に背後から覆いかぶさった。

 もしかすると、迦陵の刃なら、二人とも一刀両断されるかもしれない。

 それでも、そうせずにいられなかった。


 ところが。


 強く目を閉じ、その瞬間を待つ彼女に、志乃武が言った。


「日可理、目を開けて」


 彼に促されて目を開けたとき、最初に目に入ったのは、迦陵の巨大な鎌の切っ先。

 それと、もう一つ、見覚えのある両刃の剣。


 剣に沿って視線を上げると、その先には、彼女が作って泰蔵に託した式鬼のうち一体、氷華がいた。

 左手に目を転じると、そこには雪華。


 彼らの剣が、迦陵の刃を止めていた。


 以前にも書いたが、あるじの持つ能力を式鬼は受け継ぐ。

 つまり、雪華・氷華は今、泰蔵と同じく、一秒を五倍にした速さで動ける。

 迦陵の動きを封じるなど、今の彼らには児戯に等しい。


 迦陵が体勢を整えようと刃を引きかけた、そのとき、その背後に影がさした――そう日可理には見えた。


 次の瞬間、影は泰蔵の姿に戻ると、


「悪く思うなよ」


 迦陵にむかってそう言うなり、手にした偃月刀を一閃した。


 ごとん。


 重い音とともに、迦陵の首が、黒大理石の床に転がる。

 その音は、まるで形勢逆転の合図のようだった。


「よっしゃあ、遊びの時間は終わりだぜ!!」


 鷹彦の吠えるような叫びとともに、凄まじいつむじ風が巻き起こる。

 それは彼と玄蔵の手を煩わせていた「雑色」二体の呪符を斬り捨て、法円内部に残る三体の伺候者たちを黒砂に変え、そして――

 そして、法円中央に立つ小さな黒衣のフードを、剥ぎ取った。


 フードから長い黒髪がこぼれた。

 紅玉を散りばめた髪飾りで古風に結われた髪。

 血の気のない頬の肉は落ち、黒ぐろとした目が大きく、細い顎が鋭角を描いている。


 やつれて面変りしている。が、しかし、それは確かに――


 紅子だった。


※挿絵はAIで作成しました。

2024年8月11日日曜日

紅蓮の禁呪147話「竜と龍・四」

 


 人の声とは思えない音だった。

 息継ぎもなく、一定の抑揚とともに繰り返されるうねり。

 太古の力を孕むその音は、最初の抑揚の区切りが終わるまで一つの音だったのが、新たな音のうねりに入るとき、四つ――おそらく伺候者たち――の音が加わって五重唱となった。


 のしかかるような術圧。


 黒帝宮を包む氷殻を形成する力場が、この恐るべき音を非可聴音に変換し、増幅する。

 文字通り、世界を揺さぶるために。


 同時に、法円の中では、対角線上に立つ四本の列柱のうち、二つの饕餮紋上に、それぞれ見覚えのある白珠と碧珠、そして三つ目に、忌まわしい青白い鬼火をまとった黒い宝珠――黒珠が現れた。


 中央の柱には、真紅の宝珠、炎珠が輝いている。


 禁術を止めねばならない。

 今すぐに。

 彼らの行く手を阻むのは、迦陵とたった二体残った雑色のみ。

 もとより迦陵を引き受けるつもりの泰蔵が、竜介と黄根にそっと視線を送る。


 しかし。


 彼らは動かなかった――否、動けなかった。


 法円の外の壇上。

 何もなかった空間に突然黒い波紋のようなものが現れたかと思うと、それはあっという間に大きくなり、波間の闇から「彼」が姿を現した。

 「雑色」たちと迦陵がその場に膝をつき、頭を垂れる。


 黒い鎧を身に着けた隆々たる体躯に、黒い巻き毛に縁取られた美麗な白い顔。


 龍垓だった。


 巨大な氷殻の内部であるこの黒帝宮は、意外にも頬に当たる空気が地上よりも生温い。

 しかし今、この亡者たちのあるじを中心に、周囲の気温は急激に冷え始めていた。

 それが気のせいではない証拠に、龍垓の足元の黒大理石に、白く霜が降り始めている。

 

 凄まじい冷気と、恐るべき力の気配。


 龍垓と見(まみ)えるのが初めてではない竜介でさえ、慣れることがないこの圧迫感に、残る六人が圧倒されないわけはなかった。

 多少のことでは顔色を変えない黄根さえも、心なしか青ざめた顔で黒珠の王を凝視している。


 龍垓は足下を睥睨すると、口の端を歪めて嗤った。


「我が城へ、よくぞ参った」

 闇の王はそう言って、己が腰に佩(は)いた大剣をすらりと抜き放つ。

「本日よりここが汝らの墓所とならん。名誉と思うがいい」


 その言葉が合図だったかのように、周囲が暗くなった。

 気のせいではない。

 竜介たち七人が放っていた光輝が、一斉に消えたのだ。


 禁術の準備が整い、起動を開始したということだろう。

 異能(ちから)が使えなくなった。


 驚き動揺する竜介に、龍垓の大剣が容赦なく襲いかかる。

 竜介は持っていた偃月刀でかろうじて受けるが、衝撃が重く、思わず後退してしまう。

 鷹彦と玄蔵も、残っていた「雑色」でそれぞれ手一杯だ。


 白鷺家の姉弟は、式鬼や呪符が使えなくなった。

 氷華と雪華もただの紙片に戻り、ひらりと黒大理石の床に落ちる。

 次の瞬間、それらの紙片を蹴散らすようにして、迦陵が泰蔵の間合いに入った。


 速い。


 異能が使えない泰蔵に、迦陵の刃を避ける術はもはやない。


「泰蔵さん!!」

「親父っ!!」

 志乃武と玄蔵の叫び声と、日可理の悲鳴が交錯する。

 が、まさに間一髪。

 死神の大鎌は、またしてもその威力を振るいそびれた。

 今度は黄根が、「雑色」から奪った二本の偃月刀を使い、見事な両刀術で迦陵の刃を止めたのである。


「すまん」


 泰蔵が前方の迦陵に視線を固定したままつぶやくように言うと、黄根も同じく迦陵を見たまま、左手の偃月刀を泰蔵に素早く押し付ける。


「今はいい」


 早口でそう返し、「行くぞ」と一言。

 今度はこちらから、小さな黒衣の間合いに入る。

 禁術のほうに黒珠の力を傾注しているため、迦陵も龍垓も異能を使うことはない。

 純粋に、膂力(りょりょく)のみがものをいう戦いだ。


 そして迦陵は、泰蔵と黄根の二人を相手に、互角以上だった。


 小さな黒衣の振るう二本の鎌が彼ら二人を振り回す様は、まるで台風の目のようだ。

 泰蔵も黄根も、その着衣に、皮膚に、少しずつ刃のあとが増えていくが、それを厭(いと)う様子はない。

 むしろ、怪我を承知で間合いに踏み込んでいるきらいすらある。


 実は、彼らの視界の端には、法円に忍び寄る日可理と志乃武の姿があった。


 法円の周囲に結界の術圧は感じられない。

 伺候者たちも異能を使えないのであれば、彼ら二人でどうにかできる可能性はある。


 泰蔵は日可理たちとは反対側に視線を走らせた。

 龍垓は重い鎧を着けたまま、まるでハンデを楽しむかのように竜介の相手をしている。

 日可理たちがいるのは、法円を挟んでちょうど龍垓の背後だから、気づかれる恐れはまずない。


 迦陵だけをこちらに引き付けておけばいい――


 やたら踏み込んでいく泰蔵の意図を、黄根もまた察していた。


 日可理と志乃武は黒大理石の舞台を回り込み、幅広の階段を上がって、今しも法円の中に立つ一体の伺候者の背後に近づきつつあった。

 だが、目前の伺候者が纏う黒いローブに、志乃武が掴みかかろうとした、その瞬間。


 彼の左手の肘から先が、消えた。


 すべてがスローモーションのようだった。

 志乃武の前には、いつの間にか迦陵がいて、振り上げた片方の刃から、赤い液体が滴り落ちていた。

 生臭い匂いが鼻をつく。


 血だ。


 下から上に跳ね上げるように切り取られた腕は、空中に赤い血の弧を描き、次いで、ボトリ、と重い音を立てて、志乃武のすぐ背後に落ちた。


「何人たりとも、邪魔はさせぬ」

「いやぁぁぁっ!!志乃武さんっ!!」


 迦陵の声。

 日可理の悲鳴。


 そのどちらも、激痛と闘う志乃武の耳には、どこか遠くから聞こえるようだった。

「ぅぐっ……!!」

 絶叫を噛み殺し、彼は残った右手で血が吹き出す左腕を押さえようとしたが、力が入らない。

 目の前が暗くなり、膝から力が抜けていく。

 志乃武は自分の血溜まりの中に崩れ落ちた。


 明るくなったり暗くなったりを繰り返す視界に、自分と迦陵の間に割って入る泰蔵の背中が見えたと思った、そのとき。


 不意に、術圧が軽くなった。


※挿絵はAI画像です。

2024年6月29日土曜日

紅蓮の禁呪146話「竜と龍・三」

 


 いつの間に――!?


 そう思うほど気配をまったく感じさせず、迦陵は竜介たち七人の行く手を阻む形で、法円のある舞台へと続く階段に立っていた。


 濃い瘴気のせいで、黒珠の気配が分かりづらくなっている。


 そんなことを思いながら、竜介は攻撃に備えた。

 七人の発する光が列柱の燐光を圧倒する。

 迦陵の背後で影が深くなった。


 ざわり。


 影はうごめき、次の瞬間、黒い長衣を着てフードをかぶった人の形に分かれたと思うと、彼らに向かってきた。

 その数、十体。

 息遣いも足音もなく、滑るようなその動きは黒衣をまとった幽鬼の群れのようだ。

 さっきの「影」とさほど変わらない、そうたかをくくったらしい鷹彦がつぶやく。


「また『影』か」


 だが、それを聞きとがめた竜介は、


「こいつらは『雑色(ぞうしき)』だ。実体があるぞ」


 早口で警告した。

 その言葉が聞こえたかのように、黒い長衣の下から現れた偃月刀(えんげつとう)が、ぎらりと光る。


「まじかよ!」


 急襲を受けた鷹彦は、急ぎ「かまいたち」で応戦するが、相手は本当に実体があるのかと疑うほど手応えがない。

 切り捨てたはずの黒衣は、すぐに元通りになる。

 それなのに、振り下ろされる偃月刀は確かに実体があり、「かまいたち」で受けると、火花が飛び散った。


 いわば空を舞う刀剣だけを相手にしているようなものだ。


「くそっ、これじゃきりがないぞ!」


 そんな切羽詰まった声が、玄蔵から聞こえた。

 重力を操るほかは体術しか手がない彼は防戦一方で、鷹彦以上に苦戦を強いられていた。

 かろうじて避けた刃の切っ先にコートを切り裂かれ、そこここにほころびができている。


「フードの中の呪符を斬れ!」


 竜介が鷹彦に向かってそう叫ぶのが聞こえたが、雜色の太刀筋は思いのほか鋭く、玄蔵がフードの中に手を伸ばせるような隙はない。


 と、そのとき。


 玄蔵に激しく斬り掛かっていた雑色が、突然、黒い霧が文字通り霧散するように消え、その向こうから黄根が姿を現した。


 彼は別の雑色から奪ったらしい偃月刀を今まさに振り下ろしたところで、その刃で両断されたらしい呪符が、ひらりと玄蔵の目の前をよぎる。

 黄根は持ち主のいなくなった偃月刀を地面に落ちる直前に素早く拾い上げると、刃を下にして、驚き立ちすくむ玄蔵にむかって投げてよこした。


「すみません」


 投げられた偃月刀の柄を危なげなく受け取り、玄蔵が思わずそう言うと、


「謝る必要などない」


 また一体、斬り掛かってきた雑色を切り捨てながら、黄根はそっけなく応じる。

 変わらない仏頂面。

 だが、玄蔵には今、その横顔がこの上なく頼もしかった。

 彼は言った。


「はい。ありがとうございます」



 一方。


「生きていたか」

「ええ。お生憎さま」


 法円が刻まれた舞台の縁に立つ迦陵に、日可理が応じる。

 迦陵が小柄なせいで、彼らの目線はほぼ同じ高さだ。

 雜色たちは皆、竜介たち四人を相手にしており、日可理と志乃武、それに泰蔵の三人の前には、迦陵しかいない。


 しかし、この黒衣の死神は、その気配だけで彼らを圧倒した。

 ただ、日可理だけが、その身の内に燃える激しい怒りで、相手が発する恐るべき冷気を撥ね退けている。

 その表情は、赤ん坊の頃から一緒にいる志乃武でさえ見たことがないような殺気に満ちていた。


「来るだろうと思っていた」

「雪辱を果たしに参りました」


 日可理の言葉に、迦陵はわずかに目を細める。

 それは、嘲笑、とも取れる顔だった。


「……貴様ごときが?」


 その言葉が終わる前に、小さな黒衣が彼らの目の前から消えた。

 語尾の「が?」という音だけが、まるで無人の空間から発せられたように思われた、次の瞬間。


 キンッという硬質な音が一つ――いや、二つが重なって聞こえた。

 それは、死神の鎌が、獲物の命を仕留めた音だったろうか?


 否。


 迦陵の両手の甲からそれぞれ伸びた、三日月型の鎌。

 それらが描く弧の先に、すでに日可理の姿はなく――


 代わってそこにいたのは、泰蔵だった。


 そして、彼の首に今にも吸い込まれようとしていた死神の刃を止めていたのは、朱色の房飾りがついた、二振りの剣。


 その柄の先には、白い水干姿の少女たちがいた。


 黒髪をそろって下げ角髪(みずら)に結い、絵巻物から抜け出たような出で立ちの「彼ら」は、白皙の顔に細い切れ長の一重まぶたという古典雛のような顔も瓜二つで、ただ、それぞれの額にある雪の結晶のような文様と、薄青い氷でできた小さなツノだけが、見分ける目印となっていた。


 そう、「彼ら」は人ではない。

 日可理が泰蔵に託した、雪華と氷華、二体の式鬼だ。


 迦陵は新手の出現に、一旦、手の甲の鎌を消して後ろへ跳び、間合いを取った。

 雪華と氷華も体勢を戻し、上段の構えを取る。

 氷華が左利きなので、彼らの動きはちょうど合わせ鏡のようだ。


「今のうちに、早く!」


 泰蔵は迦陵を見据えたまま、白鷺家の姉弟を鋭く促す。


「はい!」


 二人は法円が怪しい光を放つ舞台へ向かった。

 迦陵は、彼らに一瞥すらくれない。

 それは、氷華・雪華に牽制されているからだと――三人はそう思っていた。


 だが、違った。


「もう、遅い……」


 迦陵の口から、かすかなため息とともにもれた言葉。


 その次の瞬間、地の底から響くような、「詠唱」が聞こえた。

 地鳴りのようだが、それは確かに「声」だった。


 日可理と志乃武は、舞台上に駆け上がることはできなかった。


 禁術が始動し、法円の周囲に発生した力場が、彼らを弾き飛ばしたのだ。



※筆者注:挿絵はAIによって生成しました。

2024年5月30日木曜日

紅蓮の禁呪145話「竜と龍・二」

 

 夕暮れのほのかな残光が消え去ると、分厚い黒雲に覆われた街は闇に沈んだ。

 雲の奥で閃く稲妻が、ほんの気まぐれのように、時折、辺りを青白く照らす。

 それを除けば、明かりと呼べるのは先行する除雪車と、彼らの車の四つのヘッドライトだけだ。

 人工的な白い光が、雪と氷のせいで色を失った無人の街をさらに不気味に演出する。


 彼らが目的地に到着したのは、時計の針が午後六時半を過ぎて、三十五分に近づきつつある頃だった。


 案内はここまでという当初の取り決めがあったので、除雪車はビルの前でUターンすると、次の作業場所へ向かって行った。

 この寒波のせいで、除雪車や雪上車は仕事が目白押しなのだ。

 去り際、除雪車の作業員は車の窓を開けると、ワゴン車の運転席にいる虎光にむかって、何度もこう念押しした。


「必ず半刻以内にはここから来た道を戻ってくださいよ!」


 このとき、それまで降りしきっていた雪はやみ、風も弱まっていた。

 しかし、今の都内の気候はあまりにも不安定だ。

 彼らも仕事柄、いつまた猛吹雪が襲ってくるかわからないような場所に一般車両を置き去りにしたくはなかったのだろう。

 虎光自身も、なるべく早くここを立ち去ったほうがいいとは思っていた。

 けれど、それは後部座席にいる面々の意見次第だ。

 ヘッドライトの中に浮かび上がる本社ビルの地下駐車場入口は、シャッターが降りている。

 彼はシャッターを開ける鍵をセキュリティから預かって来ているが、今目の前にあるそれは、どう見ても凍りついて動きそうにない。

 そしてたとえ中に入れたとしても、停電でエレベーターが動かないため、最上階までは階段で行くしかない。


「ここからどうします?」


 彼が運転席から肩越しに尋ねると、


「ここで降りる」


 相変わらず苦虫を噛み潰したような顔で、黄根が言った。


「中には入れませんよ」

「わかっている」

 鷹彦の忠告を、黄根はうるさそうに手を振って制した。


「今ならば、地上から直接行ける。黒帝宮を囲む力場が弱まっているからな」


 そう言って、虎光に車のスライドドアを開けるよう促す。

 竜介が慌てて尋ねた。

「もう儀式が始まっているんですか?」

 力場が弱まっているということは、黒珠の力が儀式の立ち上げに使われているということだ。


「まだだ。だが、もうまもなくだ」


 黄根が短くそれだけ答えたちょうどそのとき、車のドアが開放され、凍てつく外気が一気に流れ込んできた。

 黄根を除く車内の全員が、急激な寒さに思わず身を縮めるが、それもほんの一瞬だった。


「急ぎましょう」


 一番ドアに近い日可理が先陣を切って雪と氷の中へ出て行く。

「滑るから気をつけてください」

 続いて出た志乃武が、あとの五人にそう声をかけた。

 オートモードになっている車載ヒーターが、下がった室温を元に戻そうと凄まじい勢いで温風を吐いているが、この寒気にはとうてい太刀打ちできそうもない。

 虎光は着ていたダウンジャケットのファスナーを首元まで上げながら、今朝見た天気予報を思い出す。

 たしか、東京の予想平均気温は零下二十度だった。

 七人が降りるのを見計らってドアを閉めたら、窓を開ける。

 冷気に噛みつかれる痛みをこらえながら顔を出し、エンジン音に負けないよう彼は叫んだ。


「みんな気を付けて!」


 ヘッドライトに浮かぶ全員が彼にむかってそれぞれ会釈をしたり頷いて見せ、彼の兄弟たち二人は片手を上げた。


「母さんたちを頼んだぞ!」


 竜介の声が返ってきたと思った、次の瞬間。


 金色の法円が七人を囲むように現れ、彼らの姿は跡形もなく消えたのだった。



 不帰の旅路は、その先に待つものの重さとは対象的に、あまりにもあっけなく終わった。


 一瞬、視界が暗くなって地面がなくなり、空間識失調に襲われる。


 竜介と黄根老人を除くあとの五人にとって、それは事前の説明もなく恐怖の経験だったと思われるが、誰も――鷹彦でさえ、悲鳴を上げたりすることはなかった。

 なぜなら、視界と重力が戻ったと同時に、首の後ろに強烈な痛痒感を覚えたからだ。


 自分たちが今、紛れもなく黒珠の根城にいるという証だった。


 彼らが最初に目にしたものは、不気味な燐光を放つ一メートルほどの列柱。

 次いで、夕暮れのような薄明の中に浮かび上がる、つややかな黒曜石を敷き詰めた広場と、それを取り囲む広大な廃園だった。

 黒い床面に映りこむ列柱の青白い燐光は、少々不気味ではあるが、幻想的と言えなくもない。

 広場中央には、同じく列柱に囲まれた円形の舞台。


 舞台の床には幾何学模様の法円が刻まれ、弱いながらもすでに燐光を放っていた。


 術圧はない――まだ。


 だが、それも時間の問題に思われた。

 舞台上には、すでに人影があったからだ。


 法円の対角線上に四つ。中央に一つ。


 皆、黒い長衣を着て、フードを目深に被っている。

 中央の一人は、他の四人と比べ小柄だった。

 他の四人との違いは他にもあり、中央の者の長衣には、赤くきらめく宝石が散りばめられた瀟洒な縫い取りが施されている。


 その人影に、竜介の目は惹きつけられた。


 が、そのとき、燐光や薄明の弱い光が届かない廃園の闇の中から、まるで闇そのものが分かれるように、いくつもの黒い影が彼らめがけて襲いかかってきた。

 鷹彦が軽く舌打ちする。


「っち、おいでなすったか」


 だが、


「待て」


 風で影を散らそうとする彼を、竜介と黄根がほぼ同時に止めた。

「これは実体のない『影』だ。俺たちには何もできない」

 竜介がそう言ったが、

「え?そうなの?」

 きょとん顔で長兄を振り返る彼の青く輝く身体を、「影」たちが次々にすり抜けていく。

 黄根が呆れたような口調で言った。


「坊主……お前は今、我々が来たことを龍垓たちに大声で教えているのだぞ」


 彼らが黒帝宮にいることを、もしかしたら龍垓たちは「影」からの報告ですでに知っていたかもしれない。

 が、力を使うことは、その情報に加えて、自分たちがすでに禁術を乗っ取る計画を実行に移したと言っているようなものだ。

 黄根の指摘に、鷹彦は青い光を急ぎ消す。

 しかし、


「もう遅い」


 彼ら七人のうちの誰のものでもない、だがよく知った声が聞こえた。


 迦陵だった。


※挿絵はCopilot Designerで生成したAIイラストです。

2024年5月16日木曜日

特別!初夏ディズニー2024・三日目

 


旅行三日目、最終日はランドです。

昨夜からの雨も一段落、日差しもさほど強くなくていい感じの朝。

ランドは「ドナルドのクワッキーダックシティ」開催中のため、パーク中がドナルドにジャックされた状態でした😂

ゲート前花壇も、いつもはミッキーなのに今はドナルドです。激レア😆

ワールドバザールもこんな感じ。


ドナルドの「ボクが一番さ!」という声が聞こえてきそう😁




ええっ、こんなところまで!?とびっくりするほどドナルド尽くし😂

ちなみに一日目のブログでも書きましたが、このときマジミュのエントリーはハズレ、自由席も案内終了(´・ω・`)

自由席がないクラビもハズレたし、時間があるうちにワールドコンフェクショナリーでお土産を買ってから、写真撮りながらファンタジーランドへ移動。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのキャラがスモワに登場する!というニュースを聞いていたのでキャストさんに尋ねたところ、登場は来年冬とのこと。
まだ始まってなかったんか…
でも乗る。

知っている人は知っている、スモワの隠れミッキー😄

答えは真ん中の男の子のズボンの辺りに注目!
光の加減で分かりづらいですが、ミッキーのマークがついているのです😆

スモワを出たら、昼パレの地蔵開始。
夫が留守番してくれるとのことで、私は久しぶりにオムニバスに乗ってきました😄


この時間になると日差しが強くて、日傘か帽子がないとかなりつらい状態でした😵


とにもかくにもパレード開始。



お隣さんがテンション高い若者グループだったおかげで、いい写真が撮れました😂


さて、ここでクイズです。
パレードのあと私達が行った場所はどこでしょう?
ヒントは↓の写真。


そう、ジャングルクルーズです⛴️✨️


修学旅行生のグループと一緒になったので、ジャングルの船旅も盛り上がりました😂

暑くて喉が乾いたので、トゥモローランドテラスで休憩してからスター・ツアーズ。


スター・ツアーズを出たら、いつものクリパレでちょっと早い夕飯の時間、なのですが、私だけレストランを抜け出してドナルドのクワッキーセレブレーション観覧!


立ち見だったけど写真が撮れてよかった~ヽ(=´▽`=)ノ✨️


パレードが終わったら、夫が待つクリパレに戻って、制限時間いっぱいまで再び食事
(忙しい💦)。


お腹いっぱいでもつい食べてしまうデザート。大変美味しゅうございました✨️😋

クリパレを出たらパークを出て帰路につきました。

この日は午後から風が強くなってきて、我々の乗った京葉線が数分だけ停車したり速度を落として運転したりして、帰りののぞみちゃんに間に合うか少しヒヤヒヤしました😓

結果として無事間に合ってよかったです!ε-(´∀`*)ホッ

今回も我が家の定宿、ホテルエミオンのスタッフの皆様には大変お世話になりました🙏😌
パークキャストの皆様にも、安心安全なパークの運営を心がけていただき、ありがとうございます✨️
JR職員、乗務員の皆様も、ありがとうございます✨️おかげさまで今回も楽しく旅を終えることができました。

そしてここまで読んでくださったそこのあなたにも、ありがとうございます!
じゃあね~(о´∀`о)ノシ


2024年5月15日水曜日

特別!初夏ディズニー2024・二日目

 

二日目もいい天気!

というか、この三日間は昼夜の寒暖差がけっこう大きくて、昼間は日差しが強くて暑いのに、夕方以降、日が陰ると羽織物がないと寒いので、晴雨兼用傘とコートの両方を持参してました💦

この日の最大の目的はズバリ、アラビアンコースト内にできた、ファンタジースプリングスへの入口を撮影すること!


工事用の衝立はなくなり、今は柵の向こうがこんなふうに見えてます。😄

地元の小学生?らしき団体が中をうろうろしているのが見えました。うらやましい~!!

ちなみに拡大すると、ラプンツェルの横顔が見えますよ。↓こんな感じ。

わかりやすく赤丸で囲ってみました。

ラプンツェルの横顔の左下にはパスカル(カメレオン)も見えますね。

オープンから数年くらいはすごい人なんだろうなぁ~😓

せっかくアラビアまで来たので、久しぶりにマジックランプシアターを見てからハーバーへ取って返しました。

アプリで確認したら、ソアリンがなんと九〇分待ちという驚異の短さだったのです!

ヽ(=´▽`=)ノヤッター✨️

USJのフォビドゥンと同じ映像系ライド、と言ってしまえばそれまでなのですが、場面ごとに香りが違うのがスゴイんですよ!

サバンナのシーンでは草の香り、海の場面では潮の香り、タージ・マハルの場面はエキゾチックな香りが!風に乗って漂ってくるんです!

ランドのフィルハーマジックでもアップルパイの香りが漂ってきたりしますが、こういうとこほんと芸が細かいです✨️

ソアリンのあとはシアターに移動してBBBを自由席で鑑賞。

BBBが終わったらエレクトリックレールウェイでポートディスカバリーへ行き、ホライズンベイ・レストランでちょっと早い夕食です。

画面左下のカップはココアみたいですが、混ぜると色が変わるポタージュです😁

昨日の櫻もおいしかったけど、ズンのほうがボリュームがあっていいねと夫と意見が一致しました。

櫻のあの雰囲気が好きだし、立地もすごく便利なんだけど、料理の内容はズンのほうに軍配が上がる感じかな🤔

食後は昨日と同じ、エクスプローラーズランディングでビリーヴ!の地蔵です。

この日は私は移動せず、電書を読みつつショーの開始待ち。

読んでいたのはクトゥルーケースブック3・『シャーロック・ホームズとサセックスの海魔』。

そしてこれ↓はディズニーヴィランズで一番クトゥルーに近い容姿をお持ちのアースラ様😂


実はこの日は午後から雨予報で、ショーが始まる頃、ポツポツとごく弱い雨が降り始めていました。
しかし、結局ショーの最後まで傘をさすほどひどくはならず、私は着ていたコートのフードをかぶってしのぐことができました😊


ショー終了後は、ミステリアスアイランドが近かったので、二人で海底二万マイルへ。

なんと、待ち時間ゼロで乗れました~!ヽ(=´▽`=)ノ✨️

こんなこともあるんだねえ😄💞

アトラクから出てきたら、雨はいよいよ本降りになっていたので、少し早いけれどホテルへ戻ることに。

それと、ミラコ通りのアクアスフィア側入口の上にかかっているファンタジースプリングスのバナーが、夜は光る!という話を聞いて、それも見たかったので。

ほんとに光ってたよ~😀✨️


バナー下の羅針盤が光りだすと、バナー上に日付が!


その後は、新エリアのテーマキャラたち(アナ雪、ピーターパン、ラプンツェル)が投影されて終了。




なんて素敵なしかけ!(人´∀`).☆.。.:*・゚

雨が降ってて屋根のある場所から撮影したので、画像が正面じゃないのが残念です😅

日暮れと同時に始まって、閉園まで数分おきに光っているそうなので、見たい人はぜひ。

これ、エリアがオープンしたらきっとまた違う映像になるんだろうなぁ😆

こんな感じで二日目も終了です。

次はいよいよ旅行最終日。続きます!

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三日目に続く

エジプト旅行2026⑥~カイロ歴史地区観光!そして帰国

カイロ歴史地区観光 エジプト滞在最終日 です~! 本日のお土産屋さんタスク😂はカルトゥーシュのお店だったんですが、ガイドさんによると 「オーナーが寝坊したので11時過ぎないと開かない」 というホントかウソかわからない理由で後回しになりました😂 この日の行き先は旧カイロ地区。 ...