高校の国語教師から能楽師に転身された安田登氏による、古典の入門書。記紀神話から始まって、明治時代は新渡戸稲造の『武士道』に至るまで、日本の古典だけでなく『論語』なども取り混ぜつつ全24講義という構成になっています。
古典における昔の人たちの恋愛模様とか艶笑話あり、幽霊や妖怪など怪異譚あり。よく知っているはずの日本の昔話も、別の古典書籍には実は意外な結末が書かれていたりします。
たとえば、浦島太郎。『御伽草子』の浦島太郎は、一般的に知られている物語とは結末が全然違う!とか。
タイトルだけは日本史に出てくるから誰でも知っている、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』が実は女色男色スカトロネタなど何でもありのエログロナンセンス小説だった!とか。
個人的に興味深かったのは、因幡の白兎=生贄説と、『論語』が書かれた当時、「惑」という漢字はなかったという話と、松尾芭蕉はなぜ旅に出たのか?という話ですね。
能や狂言のあらすじもたくさん書かれていて、それもおもしろかったです。能って寝てしまっていいんだ…(;^ω^)
筆者御本人から直接話しかけられているような親しみやすい文体と、教科書には載らない(というか、載せられない)けれど世間的には興味を引く、面白い題材が多くて(最終第24講の新渡戸稲造先生の話だけが少し堅苦しい)、すらすら読めてしまいました。
そういえば買ったまま積読状態になってる岩波文庫の『論語』が書棚にあったなぁ〜と思い出したので、この機会に読もうと思います!
0 件のコメント:
コメントを投稿