2023年8月1日火曜日

紅蓮の禁呪5話「ささやかな余波」

 「しつこいなー、やだっつってんじゃん!」

 放課後の校内に、女子生徒の怒鳴り声が響きわたった。

 折しも終業直後で、廊下は教師や生徒であふれていたため、誰もが、何事かといっせいに声のほうを振り返った。

 そこには女子生徒が二人いた。

 片方は、背中の半ばくらいまでのびた長い髪をみつあみで一つにまとめた、大きな瞳の、勝ち気そうな少女。

 もう一人は、天然パーマらしい軽いウェーブのついている髪を肩先くらいまでのばした、おとなしそうな、可愛らしい感じの少女である。

 天然パーマの少女のほうは、思いがけず衆目を集めてしまったことにおろおろしながら

「すみません」

とか

「何でもないですから」

と、恥ずかしそうに繰り返していたが、もう一人のほうは、憤然ふんぜんとそっぽを向いている。

 どうやら怒鳴り声の主は彼女で、ただの女の子同士のケンカらしいとわかると、ギャラリーからは失笑が漏れ、まもなく、元通り誰も彼女たちに関心を払わなくなった。

 謝っていた少女は顔を赤くしながら、傍らの少女に向き直り、小声で言った。

「もー、紅子べにこってば、カンベンしてよ~。あんたの声、よく通るんだからさ~」

「だってあたし、部活行きたくないし」

紅子と呼ばれた少女は、怒った口調で言い返す。

「だいたい、春香(はるか)が一人じゃ心細いって言うから、つきあいで入部しただけなのに、何であたしがこんなことになるわけ?正直、めんどーなんだけど」

 とかなんとか、彼女はブツブツと文句を言い続け、部室へ向かおうとしない。

 しかし、恥をかかされたこともあって、春香の堪忍袋にも限界が来たらしい。

 彼女は目をつり上げると、

「いきさつはどうあれ、現音に入部したんでしょ!?」

と、ついに凄まじい剣幕で怒り出した。

「だったらつべこべ言わずにとっとと部活に行って練習すんのよ!」

 普段あまり怒らない人間が本気で怒ると怖い、とはよく言われる。

 実際、このときの春香の迫力は凄絶だった。

 しかも、勢いにまかせて、彼女はとんでもないことまで言い出した。

「学祭まで、もうそんなに日にちもないっつーのに、いつまでもうじうじブツブツ言ってんじゃーないわよっ!それ以上文句たれると、小学校一年のときまであんたがおね」

「わぁっ、わかった、わかりました!」

紅子はあわてて友人をさえぎった。

「部活でも何でも行くから、その話はやめて!」


 現音、というのは、彼女たちの通う高校にある、現代音楽研究部の略称である。

 とはいえ、別に現代音楽を理論的に研究したりしているわけではなく、完全な「実践」重視、つまり、単にロックやポップスが好きで、バンド活動をやりたい生徒たちの集まりだ。

 要するに軽音楽部なわけだが、この部は毎年の学園祭では体育館を借りて一時間程度ライブを開くのが恒例になっていた。

 ステージに立つメンバーは本来、有志である。だから、紅子は、音響などの裏方要員として入部したつもり、だったのだが――

 どういう間違いからか、推薦されてしまったのだ。

 バンドメンバー、それも、ステージ中央に立って歌う、リードボーカルとして。

「藤臣(ふじおみ)先輩じきじきのご指名なんだからね!本番で先輩に恥かかさないでよね!」

 春香は折に触れ、紅子にそう厳命したものだ。

 藤臣は現音の三年生で、副部長をつとめている。

 校内屈指の美形男子生徒でもあり、紅子に限らず、藤臣と一緒にステージに立つ部員は本番で何か失敗をしたら、彼のファンから凄まじいブーイングを受けるに違いない。

 彼を狙って現音に入部している女子部員は多い。

 部内は半ばファンクラブと化していて、春香もそのメンバーの一人。

 恋愛に興味がない紅子には理解できない世界である。


「でもさぁ、今更だけど、なんであたしなのかなぁ」

しぶしぶ部室に向かいながら、紅子が言った。

「あたし、死んだばーちゃんからずーっと音痴だって言われてて、歌なんか褒ほめられたことないしさ。音楽の成績がいいわけでもなし、カラオケも嫌いだし……」

 春香の眉がぴくりと動く。

「……つまり、先輩のセンスがおかしいって言いたいわけ?」

 その通りだと紅子は答えたかったが、剣呑な相手の口調に、「いえ、そんなことは……」と、笑ってごまかした。

「でも、マジな話、あんまり目立つと困るんだけどな。せっかく中学時代の知り合いがほとんどいない高校に進学できたのに、目立たずおとなしく静かに高校時代をすごす、ってゆー、ばあちゃんの遺言にそえなくなるじゃん?」

「あ……そっか。そうだよね」

春香は神妙な顔になって言った。

「ゴメン。わたし、浮かれちゃって……なんか、自分が指名されたみたいな気がして」

「まあ、たった一時間のライブだし、一回くらいなら大丈夫かな」

「何が大丈夫なんだい?」

 不意に背後で、聞き覚えのある声がした。

 二人が慌てて振り向くと、そこには、肩にギターケースをかけた、ほっそりとした長身の美少年が立っていた。

 明るい栗色に染めた少し長め髪と、左耳に光るピアスが少し気障きざな感じだが、彼の甘い顔立ちにはよく似合っていた。

「藤臣先輩!」

春香は、憧れの人から声をかけられた驚きと喜びに頬を紅潮させながら、少年に向き直った。

「こ、これから部活ですか?」

 そう尋ねた彼女の両目に星が瞬き、背後には花が舞っているのを、紅子は一瞬、見たような気がしたが、それはさすがに何かの錯覚かもしれない。

 ともかく、後輩からの熱のこもった視線を知ってか知らずか、彼はにっこり笑って「そうだよ」うなずいた。

「じゃ、あの、私たちもご一緒していいですか?」

 気さくな美少年は柔らかな笑顔のまま、ふたたび首肯。

「もちろん」

 春香はチャンス到来とばかり、藤臣と並んで歩きながら、やや興奮気味に、あれこれと話しかける。

 紅子はそんな友人を後ろから眺め、ひそかに苦笑した。

 春香って、本当に先輩のことが好きなんだなぁ。

 あたしには、恋愛ってよくわかんないけど。

「あ、そうだ」

 それまで、春香の一方的なおしゃべりに、ただニコニコと相づちを打っていた藤臣が、そのとき突然、何かを思いだした様子で、紅子のほうを振り向いた。

「一色いっしき、この前渡したMD、どうだった?」

「あ、はい」

 紅子はあわてて返事をした。

 そういえば、学祭のライブで演奏する曲の入ったMDを渡されて、自主練習するようにと言われていたのだった。

「あの、三曲目がちょっと歌いにくいんですけど。サビのとこ、キーが高くて」

「じゃあ今日はそれ、半音下げて練習するか。あとは?」

 紅子は言葉に詰まった。

 MDにはあと二曲ほど入っていたが、あまり練習できていない。

「あとは、まだ、ちょっと……」

 そう言葉を濁す後輩に、藤臣は困ったように笑った。

「なんだ、しょーがないなぁ」

「すみません。最近、宿題多くて」

 紅子は言い訳をしながら、この先輩の温厚さに感謝する。

 彼が滅多に怒らない人物であることは部員のあいだで半ば伝説と化しているが、なかなかに真実なのかもしれない。

 さて、そうして会話が続くうち、藤臣と肩を並べて歩いているのは、いつしか春香ではなく、紅子になっていた。

 背後から発せられる友人の微妙な視線に、まずい、とは思ったのだが、努力も虚しく、まもなく部室に着いてしまった。春香にはあとで謝っておこう。


 紅子たち三人が入っていくと、それまでひとかたまりになって、何やら深刻な顔でヒソヒソしゃべっていた部員たちが、藤臣の所へ集まってきた。

「どうかしたのか?」

 藤臣が怪訝けげんな顔で訊くと、三年の男子部員が言った。

「井出が……しばらく学校に来られなくなったんだ」

 どうして、と誰かが訊く前に、別の三年の女子部員が言葉を引き継いだ。

「昨日、近畿地方の黒滝って遺跡で起きた爆発事故のニュース、知らない?」

 そのニュースなら、紅子は知っている。

 今朝、学校へ出かける前にテレビで見たばかりだった。たしか、死者が二人。

 だが、藤臣は知らなかったようで、黙ってかぶりを振った。その顔が青ざめて見えたのは、気のせいだろうか。

 先輩女子部員が続けて言った。

「井出君のお父さんね、あの遺跡調査の責任者で」


 爆発に巻き込まれて、亡くなっちゃったんだって。


 女子生徒の何人かが、鼻をすすり上げるのが聞こえた。

「爆発がひどくて、遺体も残ってないらしいぜ」

 このニュースについてよく知っているらしい男子生徒がそう言うと、

「井出先輩、かわいそう……」

と、女の子たちが涙声に変わる。

   藤臣は沈痛な面もちで、頭を抱えた。

「なんてこった……」

「それでさ、井出のパートなんだけど、一年生か二年生から代役立てたほうがいいと思うんだ」

と、また別の三年生が言った。

「たぶん、学祭には出られないと思うんだよね……そんな気にもなれないだろうし」

「そうだな」

藤臣は顔をあげ、言った。

「じゃあ、学祭が終わってから、みんなで焼香に行くか。代役は……一年か二年でキーボードできるヤツ、いたかなぁ」


 部室内が、やや湿っぽいながらもいつもの雰囲気を取り戻しかけたのを見計らって、紅子は春香に小さな声で謝った。

「さっきはゴメン。春香、先輩と話してたのに」

「え?あー、あんなのぜんっぜん気にしてないよ」

 春香はそう言って笑うと、続けて、何か言いたそうに口を開いた。と、そのとき。

「一色。ちょっとこっち来て」

 また藤臣の声。

 紅子は「またあとでね」と友人に小さく手を振ると、背を向けて行ってしまった。

 紅子を呼び寄せた藤臣は、彼女に譜面を見せながら、何か説明している。

 春香の目に、二人はお似合いに見えた。

紅蓮の禁呪4話「破られたまどろみ・三」

  警備員に現場の引き継ぎを済ませて宿に戻ると、時計は夜の九時を指そうとしていた。


 給仕をする仲居には思い切りいやな顔をされてしまったが、旅館の夕食にぎりぎり間に合ったのは、虎光にとってこの日一番の幸運だったといえる。

 何しろ、午後三時頃、事務所兼用の休憩所に置いてあった誰かの差し入れらしい缶入りクッキーを食べたあとは、ペットボトルのウーロン茶以外口にしていなかったのだから。

「一日何も食わないと餓死する生き物って、何かいたよなぁ」

 着替えもせず、猛烈な勢いで空腹を満たしていく兄を眺めながら、とうに旅館の浴衣に着替えてくつろいでいた鷹彦がしみじみと言う。

 彼はこの二週間でずいぶんと日に焼けていた。

 虎光は吸い物で口の中の料理を食道へ流し込むと、弟を軽くにらんで、

「お前、ときどき失礼だね」

と言い返した。

 食事を終えて風呂に入り、のりの利いた浴衣に着替えると、ようやく人心地ついた気がした。

 井出との対決で思ったより自分は神経をすり減らしたのだと今頃になって気づく。肩に力が入ってがちがちだ。

「はー、頭いて……」

 食事のあとを仲居がきれいに片づけて行ったローテーブルに突っ伏し、思わずつぶやくと、布団に寝転がって携帯電話をいじっていた鷹彦がのんびりした口調で言った。

「なんかあったのか?」

 こいつには、話しておいたほうがいいだろうな。

 虎光は少し考えてから、

「実はさ……」

と、宵に入ってからあったことを弟に話した。


「へええ。学問以外興味ありませんって顔したあのセンセーがねえ」

ひと通り話を聞き終えると、鷹彦はそんな感想を口にした。

「今頃、あちこちの新聞社や雑誌社に電話かけまくってたりしてな」

「万一そうだとしても、親父がうまくやってくれるだろ」

虎光は肩をすくめた。

「俺たちは明日、あのブツを無事にうちの本宅に送り出すだけだ」

「明後日からまた大学かあ」

鷹彦はそう言って大きくのびをした。

「しっかし、よりによって俺たちの代で見つかるとはね。早いとこ実家に送ってお役御免となりたいぜ」

「怖いのか?」

 兄の質問に、彼はむっとした様子で口をとがらせた。

「虎兄はどうなんだよ」

 虎光は、「笑うなよ」と前置きしてから、

「怖い」

と、率直に感想を述べた。

「あの饕餮紋(とうてつもん)を見てると、足に震えがくる。……変だよな。俺はお前や兄貴みたいに魂縒(たまより)を受けてねえのに」

「俺らのDNAに刷り込まれてるんじゃねーの?あれに対する恐怖、ってやつがさ」

「かもしれんな」

虎光はテーブルに頬杖をつくと、ふーっと長いため息をついた。

「うちがなんで血眼になって五百年もあれを探し続けてきたか、頭ではわかってたつもりだったけど、実際にこの目で見てやっと実感できたぜ。よく今まで人目につかずに埋もれてたもんだ」

「もし何も知らないやつが見つけて、こじ開けでもしてたら……」

「想像したくもないね」

と、弟の言葉を引き継いで、彼は肩をすくめた。

 それを見た鷹彦が、感心したように「ふーん」と鼻を鳴らす。

「虎兄にも、そーゆーことってあるんだな」

「何だと?」

 虎光はいささかむっとして相手をにらみつけたが、鷹彦は慣れているせいか動じるふうもなく、

「いやさ、虎兄ってそのガタイだし、きっと脳みそまで筋肉なんだろうなぁなんて思ってたんだよね」

などと、この上なく失礼なことを言い出す。

「ごめん。俺、虎兄のこと見直した。あなたの脳みそにはちゃんと神経通って」

 ごん。

 鈍い音が鷹彦の脳天に炸裂し、目から火花が散った。

 虎光の鉄拳が下ったのだ。

「いってええええっ。首の骨折れた」

「折れるか、アホ!ちゃんと手加減しとるわ」

 と、そのとき。

 電子音が室内に鳴り響いた。携帯電話の着信音。二人のうち、どちらのものだろう。

 虎光は卓上に置いた自分の携帯を見たが、音はそこからではなかった。

 痛みで涙目の鷹彦が自分の荷物から携帯を取り出すと、果たして着信は彼のものだったらしい。フリップを開いたとたん、彼の表情がたちまち明るくなった。

 虎光が横から画面を覗き込むと、「りさでーす♪」というメールのタイトルが表示されている。

「りさ?誰?」

と、声に出して訊くと、弟から待ってましたとばかりに

「昨日まで東京からこの旅館に泊まりに来てた女子大生♪ナンパしたらメアド教えてくれたの♪」

という返事。

 いつの間に……というか、まめまめしいというか……。

 虎光はあきれかえって声も出ない。

 そんな兄の心中など知らない鷹彦は、

「さっきデートに誘ったから、その返事だぜ、きっと」

と、つい数分前まで深刻な話をしていたのが嘘のような浮き浮きとした表情でメールを開いた。

 ところが。

 次の瞬間、やにさがっていた彼の顔から笑みが消え、泣き顔に変わった。

 その劇的な変化は、虎光が別の意味でしばし言葉を失うほどだった。

「ど……どうかしたのか?」

 彼が尋ねると、弟はただ黙って携帯を差し出した。

 その画面には、こんなメッセージが表示されていた。

「Fromりさ Subりさでーす♪ ごっめーん。遊び行けないですぅ。今日、元彼からもとさやメール来ちゃった☆てへ☆

でも、紺野くんはいい人だから、お友達でいたいな(はぁと)」


 床についてから、虎光はなかなか眠れずに天井を見上げていた。

 隣からは、弟の軽いいびきが聞こえ、そこに時折、「ちくしょー」だの、「女がなんだぁ」というような寝言が混じる。

 平和なヤツ。

 虎光は苦笑して目を閉じた。が、石柩のことが頭を離れない。

 警備員に現場の引き継ぎを終えて事務所兼休憩所を出たときには、もう井出教授の姿はどこにもなかった。

 善後策を練るために宿に戻ったのだろう。

 兄貴にも来てもらったほうがよかったかな、と思うが、今更だ。

 彼は余計な心配を振り払うようにかぶりを振った。

 警備もつけてあるし、何も起こるはずがない――

 そう自分を安心させながらしばらく眠りの浅瀬を漂ったあと、ようやく深みに落ちようかという状態になった、そのとき。

 彼の眠りは、電話の呼び出し音によってあっけなく破られてしまった。

 鳴っているのは、携帯ではなく、床の間に置かれた旅館の電話だった。

 枕元に置いた腕時計を見ると、午前一時。

 いやな予感がした。

「こちらフロントですが、紺野さまですね」

受話器を取ると、若い男の声が言った。

「警察から、お電話が入っています。おつなぎしてよろしいでしょうか?」



 虎光と鷹彦が駆けつけたとき、発掘現場は夜中にも関わらず、まるで白昼のような騒ぎだった。

 あたりはサーチライトで照らされ、あちこちでパトカーの赤色灯が瞬き、警察関係者がうろうろしている。

 石柩は、影も形もなかった。

 それがあったはずの場所は、一面血の海で、粉々になった柩のかけらが散乱していた。

 虎光は遺跡に三人の警備員をつけていたが、彼らは皆、休憩所の隅で、ガムテープで目と口をふさがれ、両手両足を縛られた状態で発見されていた。

 幸い、命に別状はなかったが、頭を鈍器のようなモノで殴なぐられて気絶させられていたため、その後のことは何も覚えていなかった。

「彼らが言うには、ここの現場責任者の井出と大村が、急に調べたいことができたと言って来たので、あなたがたに念のため確認をとろうと、とりあえず休憩所に入れたところ、後ろから殴られたのだそうです」

担当の刑事が言った。

「現場からはほかに、こんなモノが見つかってます」

 そう言って、大型の懐中電灯、デジタルカメラ、それに、金属製の細長い板二枚を二人に見せた。

 懐中電灯はひびが入り、デジタルカメラは、それがかつてカメラだったと言われればそうかとわかる程度にしか形状をとどめていない。

 そして、最後の金属板は石柩のふたをこじ開けるには最適の形をしていた。

 井出と大村は、あの石柩とその中身をカメラにおさめるために来たのだ。

 自分たちが学界に提出する論文の証拠とするために。

 そして、虎光たちがやろうとしていたことを告発するために。


 石柩の中身がなんなのかも知らずに。


 警察の事情聴取が終わるとすぐに、虎光と鷹彦は父親の携帯に連絡を入れた。

 使えるかどうかさえわからず、彼らにとってはできることなら使いたくない「切り札」が必要になったことを、沈んだ声で告げた後、二人は現場に漂う、血なまぐさい臭いをかいだ。

 それはまるで、これから起こることを暗示するかのように、彼らを慄然とさせたのだった。

2023年4月8日土曜日

BingのAIチャット機能で小説書けるかな

 Edgeに組み込まれているBingにAIチャットがブログの下書きもしてくれるらしいので使ってみました!

画面上段の「チャット」「作成」「分析情報」から「作成」を選ぶ。

文章の「トーン」は「カジュアル」。

形式は「ブログの投稿」。

文章の「長さ」は「中」。

そして私が投げかけたのは、以下の文章↓

人類が肉体を捨ててデータとなり、AIと融合して生きる未来で、肉体を捨てなかった旧人類として生きる主人公が、肉体を持たない新人類と出会う物語

生成されたのは以下の通り↓

text

こんにちは、ブログを読んでくれてありがとう。今日は、最近読んだ本の感想を書きたいと思う。その本のタイトルは「データとなった人類」で、人類が肉体を捨ててデータとなり、AIと融合して生きる未来で、肉体を捨てなかった旧人類として生きる主人公が、肉体を持たない新人類と出会う物語だ。


この本は、SFと恋愛の要素が混ざった作品で、主人公の旧人類は、自分の肉体を大切にする一方で、データとなった人類にも興味を持っている。ある日、彼はインターネット上で、自分と同じ名前を持つ新人類と出会う。彼女は、データとなった人類の中でも特別な存在で、AIとの融合によって高い知性と感情を持っている。彼女は、旧人類の世界にも興味を持ち、主人公と交流を深めていく。


この本は、現代のテクノロジーの発展と人間性の問題について考えさせられる作品だ。データとなった人類は、自分のアイデンティティや価値観をどう保つのか。旧人類は、自分の肉体や感覚をどう大切にするのか。そして、二つの異なる種族がどう共存するのか。この本は、そういった問いに答えることはしないが、読者に考えるきっかけを与えることはする。


私は、この本のストーリーとキャラクターに引き込まれた。主人公と新人類の関係は、徐々に深まっていくが、それぞれの立場や環境の違いからも葛藤や衝突が起こる。しかし、彼らは互いに理解しようと努力し、愛情を育んでいく。彼らの恋愛は、現実的ではないかもしれないが、美しくて切ないものだった。


この本は、SFファンや恋愛ファンにおすすめしたい作品だ。データとなった人類と旧人類の世界観や文化の違いが興味深く描かれており、恋愛も感動的でロマンチックだ。この本を読んで、自分もデータとなった人類や旧人類と出会ってみたいと思わせられるかもしれない。

―――ここまで

なるほどねえええ~、こうくるか!って思いましたwww

「データとなった人類」って…タイトルからしてまんますぎるし、正直、想像の斜め上をいくようなことはありませんでしたね。

でも、コンピュータが月並みとはいえここまでの物語を生成できるほどに進化したということについては、たいへん面白いなあと思いました。

もしも何十年か後の未来、AIがグレッグ・イーガンばりの本格SFを書くようになったとしたら…

人間の作家なんてあっちゅうまにお払い箱かな…(;´∀`)ちょっと怖い

2023年3月30日木曜日

春ディズニー2023・二日目

 今回のお宿は、リゾートライナーのベイサイドステーション目の前にあるヒルトン東京ベイ。

初めて泊まるホテルでしたが、お部屋が広くてよかったです。パークも近いし。

お風呂とトイレ、洗面所が一体になってるのは、ちょっとつらかったですが…(;´∀`)

しかし、このホテル、実はちょっといいことが…




そう!
トイストーリー・ホテルが客室から見えるんです!😆

トイホの中庭って、宿泊者以外立入禁止なので、これはちょっとうれしいですよね!

朝食ビュッフェも大変美味しゅうございました。

いつものお宿では朝ごはんに中華粥を頂いているので、こちらのホテルでも中華粥があったのがとてもうれしかったです(о´∀`о)

お腹に優しいおかゆ…ありがたい🙏

食後のコーヒーも美味しかったなぁ~。抽出にちょっと時間がかかるタイプのマシンでしたが、待つかいのあるお味でした。

お腹がいっぱいになったら、パークへ。本日の行き先は、ランドです。

ホテル前から舞浜行きのシャトルバスが出るそうなので乗車…

…したのはよかったんですが、到着したのはパークのバスロータリーではなく、舞浜駅のバスロータリー(;´∀`)
パークへはリゾートライナーのほうが近かった…(;´д`)トホホ…

こんな失敗、うちだけかな(;´∀`)

ちょっと遠回りになりましたが、とにもかくにもパーク到着。

今日はぜひともマジミュを見たい!なぜなら、今までエントリーにハズレてばっかりで見たことないから!
ということで、ゲート通過後、さっそく公式アプリを見てみると…
初回公演の抽選がない?Σ(゚Д゚)

一瞬、「え、まだ開場まで一時間以上あるのに、もう抽選終了!?」とパニックになりましたが、よくよく見てみると、どうやら初回公演はエントリーなし、スタンバイで入場できる模様!

念のためキャストさんに確認してから、一路、フォレストシアターへ!


ラインカットされてませんように~と祈りつつ到着、無事スタンバイに並ぶことができました。

開場まで約1時間というところで並び始めて、1階の後ろから2、3列は空席。


劇場内の床はすり鉢状なので、前席の人の頭が気にならず鑑賞できるようになってます。後方だけど、ほぼセンターに座れて大満足(о´∀`о)

今回の旅の目標、すべて達成です!

ちなみに、なんと、エントリーも今回初当選Σ(゚Д゚)


センターではないものの、いや~、こんなこともあるんですね。

ただ、私は早い時間の新幹線で帰阪する(帰宅後にバタバタしたくない)ので、この公演は夫に譲りました。

マジミュのあとはすぐにドリーミング・アップ鑑賞(๑•̀ㅂ•́)و✧


パレード開始まで時間がかなり近かったのでベスポジってわけではないものの、見れてよかった~。

トゥモローランド・テラス前でパレード鑑賞したのは初めてかも。逆光にならず、いい感じに撮影できてます。

パレード鑑賞後、私はいつものワールドバザール・コンフェクショナリーでお土産を買ってパークをあとにしました。

いつもの帰りは午後4時台の新幹線なので、東京駅で夕飯代わりのお弁当を買って車内で食べるのが恒例なのですが、今回はダイヤの関係で午後3時台の新幹線(早!)

お昼食べてないけど、朝がビュッフェだからさ…
お腹は重たいままなんよね…(;´∀`)
年寄りは消化も遅い笑

お弁当を買う時間が必要ないなら、もうちょっとパークで遊べばよかったかなぁ、とか、帰りの車内でちょっと思ったのでした。

というわけで、旅の日程は無事終了。

ホテルスタッフの皆様、お世話になりました。
パークキャスト及びスタッフの皆様、いつもありがとうございます。
また遊びに行きます!(^_^)/

2023年3月29日水曜日

春ディズニー2023・一日目



今年も行ってまいりました、我が家恒例の春のディズニー旅行。

今回は子供の進学先との兼ね合いで、日程が大幅繰り上げ、しかも1泊2日の短縮となりました。

なので、パーク内のレストランの予約は全部キャンセル、取り直し…って、1ヶ月前に予約枠が公開された時点で争奪戦が起きるのに、そんな簡単に取り直しなんてできるわけがございません。
…というわけで、ひたすらキャンセル拾い。
朝駆け夜討ちで1日数回、公式サイトをチェックです。

2日目はともかく、1日目の夕食はぜひともどこかのレストランに予約を入れたい。夕食難民はいやだよう(ノД`)シクシク

しかし、待てば海路の日和ありとでも言いましょうか、チャンスは巡ってくるもので、出発の数日前というギリギリのタイミングではありましたが、どうにか予約をゲットできたのでした!ε-(´∀`*)ホッ

今回の旅の目標は

1、シーで新しい夜のハーバーショー『ビリーヴ!~シー・オブ・ドリームス~』を鑑賞すること
2、ランドでずーっと抽選にハズレ続けている、フォレストシアターの『マジカル・ミュージック・ワールド』(略してマジミュ)を鑑賞すること

の2点だったのですが…

シーに入園予定の1日目の天気予報がずーーーーっと雨☔

1日目、パークに到着してもやっぱり雨。

これは早速1個目の目標達成ならずか…と思っていました。

ところが。


レストラン櫻のテラス席で夕食↑を食べていたら、傘をさしている人がだんだん少なくなってきて…

食事を終えて店を出る頃には、曇ってはいるものの、雨も風もなく、絶好のショー日和に!!

『ビリーヴ!』のテーマは、「願いは叶う」なのですが、まさしく、みんなの「ショーを見たい」という願いがかなった宵となりました!ヽ(=´▽`=)ノ

これぞディズニーマジック!笑


ショーのあとは、あわよくばトイマニかソアリンに乗れたらいいなぁと希望的観測を抱いていたのですが、あいにくそこまでの願いは叶いませんでしたね(;´∀`)
どちらも昼間から待ち時間2時間超えが当たり前の人気アトラクのこと、当然のように無情のラインカットでした。

閉園9時だしね…致し方なし。

気を取り直してエレクトリック・レールウェイでポートディスカバリーへ移動。

アクアトピアとシーライダーは待ち時間ほぼなしで搭乗ヽ(=´▽`=)ノワーイ

終わって出てきたらエレクトリック・レールウェイは終了していて、歩いてゲートへ戻る必要がありましたが、夜のパークの景色を眺めつつ、ぶらぶら歩くのもそれはそれでよいものでした。

遊び疲れて今夜のお宿へGO。
続きます!

2022年8月22日月曜日

悪役令嬢ものは沼。

 『破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』のコミカライズ版がプライムリーディングに上がってきたんですよ、ええ。

アニメは全編見ました。まあ最後の方は正直惰性でしたがw

そこからですよ…

ことあるごとに、密林がことあるごとに悪役令嬢ものをおすすめしやがり始めたんです…

そんなのつい読んじゃうじゃないですか。

気がついたらね、昨日も『加護なし令嬢の小さな村』のコミカライズ版を一気に3冊買っちゃってたんですよ。

面白くて、一気読み…だけじゃなく、続きが気になって、小説版にまで手を出しそうになっている自分がいました。

ゾッ…としましたよ…明らかにやばい兆候ですよね、これ…

でもねえ、本当、面白いんですよ。特にね、主人公が領主になった小さい村の人たちが幸せになっていくのを見てると、こっちまで幸せ〜な気持ちになったりとかね。

実は、今日も一冊、また別の作品をプライムリーディングで読んじゃったんですよ…

『僕は婚約破棄なんかしませんからね!』のコミカライズ版なんですけどね…

珍しく王子視点からのストーリー展開、面白かったなあ。

婚約者になった悪役令嬢(予定)の女の子と一緒に、おしのびでヒロイン(予定)の女の子を覗き見しに行って、ひと目見た瞬間に「かわいい」で頭がいっぱいになっちゃうところとか、「これがゲームの強制力」って感じで、なるほどなぁ〜って思いしました。

こっちはコミカライズ版は途中で打ち切りになってしまってるそうで、最後まで読みたかったら小説しかないんですよ…

困りますね…

困りました…

ほんと、これ沼だから…気づいたら、ハマってますからね…気をつけて…

私?

これからブックオフでも行こうかな、って…www

2022年8月20日土曜日

黎明卿ボンドルドに関する象徴学的考察

 


大変久しぶりのブログ更新です。

つくしあきひと氏原作「メイドインアビス」、アマプラで履修してみたところ、世界観にドハマリしてしまい、現在放映・配信中の二期も毎回楽しみにしています。

とくに私が興味を惹かれたのは、劇中での数々の非人道的な振る舞いにより、同作品ファンからは蛇蝎のごとく嫌われているキャラ、ボンドルド卿。

彼が何をしでかしたかについては本編をご覧いただくとして、いずれも確かに「人道に照らすと」唾棄すべき行為ではあるのですが、彼自身にとっては、アビスの謎を解き明かすという自らの知的欲求にどこまでも純粋に従った結果の行為であり、そこに「悪意」がないという点で、一般的なヴィランとは一線を画すように私には思えました。

以下は、そんなボンドルド卿の謎についての考察です。ネタバレありなのでご注意!



◆ボンドルドの仮面

劇中設定では、彼の仮面とは、それを装着した他者の精神を彼に隷属させるための道具です。

ボンドルドは、自分の魂をアビスの特級遺物である精神隷属機「ゾアホリック」に移し、仮面を使って他者を「乗っ取る」ことで、事実上の「不死」を手に入れたのです。素晴らしい…ってボンドルド本人は思ってるんだろうなぁ。

つまり、あの仮面はゾアホリックの「端末」のような役目を果たしているのでしょう。

ちなみに、彼は自分の白笛を手に入れるために自分の身体を使った(白笛の元になる石「命を響く石(ユアワース)」は人間から作られたもので、しかも、「材料」となる人間は、白笛の使い手にすべてをささげる覚悟が必要。ボンドルドにはそこまで強い絆で結ばれた特別な他者はいなかったと思われる…さもありなん)ので、オリジナルの肉体は残っていません。作中で動き回っている彼の身体は、おそらく彼の部下である祈手(アンブラハンズ)の誰かのもの。

文字通り己の知的欲求に己のすべてを差し出したわけで、ここまで来ると、もはや狂気の沙汰も通り越していっそあっぱれですらありますね…。

◆仮面の象徴的意味

ボンドルドが作ったのか、それとももともとゾアホリックの付属品(?)なのかは謎ですが、精神隷属機だから頭に近いところがいいとしても、あんな暑苦しそうな仮面でなくとも、首輪でも額飾りでもかまわないはず。

なぜ、仮面なのでしょう?

古来、仮面の役割とは、「見えざるものの依代となること」でした。

日本の伝統芸能である能楽でも、神や怨霊など「人ならざるもの」の演じ手は必ず面をかぶっていますし、なまはげなども仮面をかぶって「年神」を演じ、新年の幸福を祈る行事であることは、読者諸氏ご存知の通り。

仮面をかぶることで人としての己を消し、神との同一化をはかり、豊穣を祈ったり、病魔を退けたりするシャーマニズムは世界各地(特にアジア)に広く見られる風俗です。

つまり、ボンドルドは仮面によって不死を手に入れ、かつアビスに仕える「神官」となり、アビスという「神」と同一化したわけです。

人間を超越しちゃったんですねえ…神の視点を手に入れてしまった彼にとって、「人道的」とか「倫理観」などというものが意味を持たなくなるのも、ある意味当然といえば当然かもしれません。

アンブラハンズが全員、彼と同じく仮面をかぶっているのも、彼らが同様に神に仕える「神官」だからなのでしょうね。

◆アビス探求至上主義

実験のために連れてきた子どもたちについて、「あれらは人間としての運用はしておりませんので」などというぞっとするようなセリフを平然と口にする一方で、娘である(とボンドルドは言っている)プルシュカに対しては温かな愛情を注いでいる(ように見える)場面もありますが、彼の言動を総じて鑑みるに、彼にとって「人間として扱うかどうか」という区別は、「家畜かペットか」という区別と大差なさそうです。

彼にとって、すべての生命は、アビス探求のために存在する。

そこに例外は存在せず、自分の肉体すらアビス探求のために白笛に変えてしまったのですから、まさに「筋金入り」です(まあ、魂というか意識だけはゾアホリックに移せたからこそできたことではありますが…)。

彼がやったことに対して他人が見せる喜怒哀楽や愛憎さえも、「脳細胞の電気信号と脳内分泌物に踊らされているだけ」とか思ってるんじゃないかなぁ。

◆なぜ「目」を見せた?

第六層に向かうリコたちを見送る場面。ボンドルドの仮面はリコたちとの激しい戦闘によって壊れており、壊れた場所から片目がのぞいていました。とても印象的な場面なので、憶えている方も多いでしょう。

戦闘中に壊れた仮面からのぞいた彼の目は複眼で、人ならざるものを思わせましたが、その個体が戦闘に敗れると、別のアンブラハンズが壊れた仮面を拾い上げて「新しいボンドルド(文字通り)」になり、そのときの目は、生身の人間のものでした。

アビスの遺物によって改造した肉体ではなく、一時的にせよ生身の肉体となったボンドルドは、そのまま他のアンブラハンズたちとともにリコたちを見送りますが、なぜわざわざ見送りに出たのでしょう?

これは私の推測ですが、白笛を得たリコの、アビスに対する探究心に、ボンドルドは同じ「白笛」の探窟家として、最大の敬意を払ったということでは…?と考えています。

また、目は古来、人間の身体で最も強い呪力を持つ器官。

最も有名なのは、古代エジプトの魔除けとして墓室や棺などに描かれた「ホルスの目」(ラーの目、ウジャトの目とも)でしょう。

古代メソポタミアや中国の遺跡からも、やたら目を強調した人物像などの遺物が発見されています。

日本でも「目は口ほどにものを言い」というように、最も感情を表す器官でもあります。

ボンドルドは奇しくも生身の目でリコたちを見送ることにより、自身の言葉通り、アビスに仕える者として最大の「呪いと祝福」を彼らに与えたのですね。

そういえば、リコたちが第六層へ行くために乗り込んだ昇降機も、もろに眼球の形でした。彼らは「呪いと祝福」の象徴たる目そのものに運ばれて、アビスのさらに奥へと進んだわけです。


さてさて、作中、アビス下層の生物が上層へ移動していたりするところを見ると、どうやらアビスの力場が上昇してきている模様。オースの街での異変も、島の外の医療船に移動した途端元気になったキユイを見るに、アビスの力場が穴の外にあふれつつあるしるしのようです。

いったい、アビス最下層では何が起きているのか…

私には、最下層の異変を知ったライザが、オースの街の人々に警告するためレグを送ったのでは?と思えるのですが…

いずれにしても、続きが楽しみです!

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